小説

本のこと

『サクラサク、サクラチル』辻堂ゆめ

辻堂ゆめさんの作品を読むのは『卒業タイムリミット』に続いて2作目です。Xで読了ツイートをよく見かけていたので読みました。 髪を振り乱して部屋に飛び込んでくる人影が、目に映った。 テーマは教育虐待とネグレクト。親に理不尽な要求をされ、コントロ...
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『迷彩色の男』安堂ホセ

初めて読んだ作家さんです。芥川賞候補になっていたので読んでみました。 夕暮れを鳥が飛び去っていく。 タイトル通り、色がすごく印象的でした。 性的指向や人種のミックス。肌の色のミックス。 全体的な印象が写真のように切り取られて表現されていたり...
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『少女七竈と七人の可愛そうな大人』桜庭一樹

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』が大好きなので、同じ桜庭一樹さんのこちらの小説を読みました。 角川文庫のこの装丁、大好き。 辻斬りのように男遊びをしたいな、と思った。 「たいへん遺憾ながら、美しく生まれてしまった」川村七竈。鉄道模型が大好き...
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『すべてがFになる』森博嗣

第1回メフィスト賞受賞作品。 超有名でいろんなところでおすすめされている作品で、前から読もうと思って買っていたのですが、ようやく読みました。 今は夏。彼女はそれを思い出す。 シリーズ途中になっているものがいっぱいあるのに、ここから新たなシリ...
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『本の背骨が最後に残る』斜線堂有紀

『君の地球が平らになりますように』『恋に至る病』を読んですごく好きになった斜線堂有紀さんの新刊短編集を読みました。 まず装丁が素敵。フォントがいいですね。目次や短編ごとの扉絵も素敵です。物語の雰囲気がよく出ていると思いました。 表題作をはじ...
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『本心』平野啓一郎

平野啓一郎さんの文庫新刊で出ていた『本心』を読みました。 一度しか見られないものは、貴重だ。 舞台は2040年の日本。 一冊の本の中に、少しだけ先の未来に起こりそうな論点がたくさん織り込まれていて、そのたびに考えさせられました。 「自由死」...
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『儚い羊たちの祝宴』米澤穂信

大好きな米澤穂信さんの本の中でも、独特の雰囲気を醸し出している表紙がずっと気になっていた『儚い羊たちの祝宴』を読みました。 大きなお屋敷に住むお嬢様や、そこで働く同年代の使用人の少女たちが語るお屋敷での物語。 甘美な語り口に身を任せて読んで...
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『同姓同名』下村敦史

下村敦史さんの小説は初めて読みましたが、おもしろかったです。 九月のIOC総会で東京での開催が決まったオリンピックの話題に世間が沸く中、大山正紀は他人に知られるわけにはいかないどす黒い感情を押し隠し、血の色の夕日に照らされた公園の草むらに潜...
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『白夜行』東野圭吾

最近Xで読了ツイートを何度か見かけたので、久しぶりに読んでみようと思いました。20年ぶりくらいの再読? 近鉄布施駅を出て、線路脇を西に向かって歩きだした。 1973年大阪で起きた質屋殺害事件。容疑者は浮かんだが決定的な証拠がないまま容疑者も...
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『録音された誘拐』阿津川辰海

大好きな阿津川辰海さんの作品を読み進めています。今回はこちらの『録音された誘拐』。 表紙が素敵。 短編集『透明人間は密室に潜む』の中の「盗聴された殺人」で登場した、大野探偵と、すごく耳がいい助手の山口美々香が登場する長編です。 世界が止まる...