阿津川辰海さんの『紅蓮館の殺人』の続編です。
Xで『紅蓮館〜』を読んだ後あまり間を空けずに読んだ方がいい、という意見がけっこうあったので、そうしました。
読んでみて、確かに!と思いました。
紅蓮館と蒼海館はひと続きの物語ですね。
紅蓮館のラストが、続きが気になるというか、あまりスッキリしない終わり方だったので、ん?と思っていたのですが、蒼海館への助走だったんですね。
前作は、山の中の有名推理作家の別宅が山火事に襲われて、火が館に燃え移るまでに殺人事件を解かないといけない、というタイムリミットのあるクローズドサークルでした。
本作は、高校生探偵・葛城の実家である蒼海館が台風による大雨に見舞われ、川が決壊して浸水してしまいそう、という設定です。
浸水の危険が迫る中で起きる連続殺人事件。犯人探しとともに重要なテーマが、前回の事件で落ち込んでいた葛城が、再び探偵として立ち直れるのか、ということ。
そして、ワトソン役を自認していた田所くんは、自分の存在意義に悩みます。
果たして二人の友情は保たれるのか。
今回田所くんと一緒に新たな友人の三谷くんも一緒に謎解きに参加していますが、私はこの三谷くんのキャラが好きでした。明るいキャラだけど、ちゃんと人の気持ちも考えられる子です。
このシリーズは「館四重奏」としてさらに続編が続く予定となっています。
2024年になったら第3作目の『黄土館の殺人』が刊行予定とのこと。楽しみです!
『紅蓮館の殺人』レビューはこちら。
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