『スモールワールズ』一穂ミチ

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『光のとこにいてね』がおもしろかった一穂ミチさんの本を読みたくて購入。

スモールワールズ (講談社文庫 い 157-1)
2022年本屋大賞第3位 第43回吉川英治文学新人賞受賞! 共感と絶賛の声をあつめた宝物のような1冊。 夫婦、親子、姉弟、先輩と後輩、知り合うはずのなかった他人ーー書下ろし掌編を加えた、七つの「小さな世界」。生きてゆくなかで抱える小さな喜び、もどかしさ、苛立ち、諦めや希望を丹念に掬い集めて紡がれた物語が、読む者の心の揺...

表紙もかわいい。初回限定の特製しおりもめっちゃかわいいです。

7つの短編が収録されています。

夫婦、親子、姉弟、先輩後輩・・・

いろんな関係性の人たちの間に起こるちょっとしたできごとを取り上げているのですが、どの話も切なくて、毒があって、でも心があったかくなるような物語ばかりでした。

私は「魔王の帰還」と「式日」がとくに好きでした。

「魔王の帰還」は、離婚すると言って実家に出戻ってきた姉の真央(あだ名が魔王)と弟、弟の友達の女の子の物語。体が大きくて、一見がさつな性格の姉ですが、その言動は人のことをよく見ていて、曲がったことは嫌いで、そのことを他人にも臆せず言う、すごくかっこいいお姉さんでした。こういう人に私もなりたい・・・

「式日」は、高校の後輩のお父さんのお葬式に誘われて一人だけ参加した先輩との物語。それぞれに家庭の事情を抱えていて、でもそのことに対してステレオタイプな慰めや説教をしないところに救われている。

「嫌われたらそこで終わりじゃん。好かれたら始まっちゃうから、そっちのが怖いよ」

p315

「ラッキーは俺だよ。先輩にとってはちょっとした親切だったんだろうけど、大げさじゃなく、ああこれで生きていけるって思った」p324

p324

すごくいい短編集でした。大好きです。

『光のとこにいてね』のレビューはこちら。

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