プロのナレーターが本を朗読してくれるAudibleというサービスを利用しています。
といっても私は紙(やKindle)の本を目で読むほうが早いし、あれ?と思ったときに前のページをすぐ確認できるので紙の本のほうがいいと思っていて、Audibleは通勤中(車で片道1時間)にも続きを読みたい、と思うときに併用している感じです。
なので、基本的には紙で持っている本でAudible版もあるものは併用しているということになります。
でも、ときどき紙の本は持ってなくて、Audibleだけで聞いて(読んで)いる本があります。
なぜ紙の本を買わないかというと、私は経済的な理由と保管スペースの理由から、文庫本だけ買うようにしようと思っていて、文庫本がない場合はKindleで買うか、図書館で借りるようにしているからです。
でも最近出た人気の作品は図書館でも予約がいっぱいなので、AudibleがあるならAudibleだけで聞き通してみようと思ったわけです。
ですがやはり目で読むのと耳で聞くのとでは違うなと思うところも多いです。
紙の本のほうがいいなと思うところは、読むペースを自分で好きなように調整できること、読み飛ばしてもすぐにページをめくって戻れるところ。
Audibleで困るのはこれらの裏返しということになりますが(集中して聞いていないと聞き逃してしまって大事なところが分からなくなることがよくあります)、他にも同音異義語が分かりにくいとか、人の名前を勝手に想像して漢字を当てはめて聞いてしまうのですが、あとで漢字を確認すると全然違っていてイメージが変わってしまう、など。
逆にAudibleのいいところは、車を運転中でも洗い物中でも、お風呂に入っているときでも本が読めるし、朗読するナレーターの方がすごく上手だと本当にその世界に入り込めます。
そんなふうにしてこれまでいくつかの本をAudibleで聞いてきたので、本がなくてもAudibleだけですごく楽しめるおすすめの本をご紹介したいと思います。
「古典部シリーズ」米澤穂信
『氷菓』を第1作とする、神山高校古典部に起こる「日常の謎」を取り上げたシリーズです。ナレーターの土師亜文さんの声がめっちゃ好きです。シリーズ全作品を土師さんの朗読で聞いているので、私の中では古典部のメンバーの声といえば土師さん。声だけでだれがしゃべっているかわかるし、どの声も素敵。大好きです。日常の謎も、それほど複雑なものではないので、耳だけでも理解しやすいです。
『可燃物』米澤穂信
警察を舞台とした短編集です。ナレーターの山内健嗣さんの声がとにかく渋い。警察小説にぴったりだと思います。それぞれの短編で、解決のポイントとなる部分がひとつずつあって、ここが明らかになれば事件解決、というのが分かりやすいので、耳だけで聞いていてもクリアに理解できます。
『木挽町のあだ討ち』永井紗弥子
江戸時代の芝居小屋の前で起きた武士の仇討ちをめぐって、武士の縁者が関係者に順番にインタビューをして、それによって徐々に事件の真相が明らかになっていく、というストーリーです。話し言葉だし、登場人物が江戸っ子なので落語を聞いているみたいですごくおもしろかったです。これこそAudibleにぴったりだなあと思いました。最後の方、めっちゃ大事なところで同音異義語が出てきます。たぶんこの字だろうなというのは聞いていて分かったのですが、そこだけは要注意かなと思いました(私はあとでネットで調べました)。
『アリアドネの声』井上真偽
健常者も障害者も住みやすいという実験的なスマートシティで大地震が発生し、地下に閉じ込められてしまった盲聾者をドローンを使って救出するストーリー。展開が早くてドキドキしっぱなしでした。文字でも音声でも、現場を想像しながら読むのは同じなので、違和感なく最後まで聞けました。映像化してもおもしろそう。驚き&感動のラストが素晴らしかったです。
以上、最近Audibleだけで読んでおもしろかった本を4つご紹介しました。これからも読書の世界を広げてくれるAudibleをうまく利用していきたいと思います。
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