初読み作家さんでした。Xで読了ツイートを見かけておもしろそうと思い、読んでみました。
Amazon.co.jp
カズトの手が好きだった。
主人公は44歳の専業主婦、涼子。バレーボール一筋で実業団でもプレーしていたけど出産後引退して、今は高校生と中学生の子供にも馬鹿にされているように感じている。
大手出版社に勤める夫は毎日帰りが遅く、浮気をしているようす。ある日、大学生の時に付き合って結婚も考えたカズトの夢を見たことで、もう一度会いたいという気持ちを抑えられなくなる。
なぜか、バーのルミママと一緒に大阪へカズト探しの旅に出ることになった涼子。ルミママは、文学が大好きで自分でも小説を書いているという。
カズトを探すと同時に、ルミママの大好きな文豪の足跡巡りもしつつ、そしてなぜかたまたま出会った事件の解決までしてしまう。
展開が早すぎて、ドラマ見ているみたい、と思ったら、著者の秋吉理香子さんは大学院で映画・TV番組制作を学んでいるそう。そういう経歴も影響しているのかな、と思いました。
ルミママのキャラクターがすごくよくて、大好きでした。
辛い経験もたくさんしてきたけど、文学が救ってくれた。大阪にゆかりのある作品や文豪がたくさん出てきて、一緒に聖地巡りしている気分も味わえました。
ラストは正直予想の範囲内だったけど、そこからもう一つ、驚きの展開もあって、楽しめました。
ミステリーとは全く思わず読んでいたので、期せずして事件の謎解決も楽しむことができて良かったです。
装丁も素敵です。
コメント