大好きな米澤穂信さんの本の中でも、独特の雰囲気を醸し出している表紙がずっと気になっていた『儚い羊たちの祝宴』を読みました。
Bitly
大きなお屋敷に住むお嬢様や、そこで働く同年代の使用人の少女たちが語るお屋敷での物語。
甘美な語り口に身を任せて読んでいると、突然不穏な空気になり、ラストはぞわっと暗い穴に突き落とされるような感覚に襲われる、そんな短編集でした。
一作目の「身内に不幸がありまして」と、4つめの「玉野五十鈴の誉れ」がとくにぞわぞわしてよかったです。
人のために働いていた使用人や、家のために生きるお嬢様たちが突然自分の欲望を満たすために本性を表すところに毎回びっくりして怖くなりました。
うーん、米澤さん作品のテイストの幅広さには毎回驚かされます。
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