『録音された誘拐』阿津川辰海

本のこと

大好きな阿津川辰海さんの作品を読み進めています。今回はこちらの『録音された誘拐』。

Bitly

表紙が素敵。

短編集『透明人間は密室に潜む』の中の「盗聴された殺人」で登場した、大野探偵と、すごく耳がいい助手の山口美々香が登場する長編です。

世界が止まるような一瞬だった。

大野探偵が誘拐されてしまいます。助手の美々香と望月は離れた場所でそれぞれ調査を進める。

美々香はその驚異的な耳の良さを活かして。望月は持ち前の好奇心と元カウンセラーという経験を活かして。

大野と美々香の家族とのエピソードも織り込みつつも、事件の展開にスピード感があり、どんどん読めました。

これはぜひ映像化して欲しいです。

私はちょっとしたエピソードですが、美々香のお父さんが作った俳句がいいなと思いました。難しいことはよくわからないけど。細かいところですが、よく考えられているなと感心しました。

最後まで読んでもう一度読み返してみると、倒叙ミステリーだった?大野探偵が救出される場面が・・・読んだのにその後忘れていて気づかなかった・・・

この部分はなくても小説としては成り立つと思うのだけど、あえて最初にこの「現在」の章を設けたのは意図があるんだろうな。

『透明人間は密室に潜む』のレビューはこちら。

これも阿津川さんの本の中で大好きなものです。かなりおすすめ。

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