村田沙耶香さんの『信仰』がおもしろかったので、発売されてすぐの時に一度読んだ『コンビニ人間』を再読しました。
芥川賞受賞作品です。
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コンビニエンスストアは、音で満ちている。
小さい時から、周りの人とは違うことだらけで、不気味に思われたり、怒られることが多かった恵子。
大人になってコンビニでバイトを始めるのですが、そこでは「コンビニ店員」という役割を完璧に演じることで周りから不審な目で見られないということがわかる。
そんなコンビニに婚活希望の白羽がバイトしに来たことで、恵子の周りが少しずつ変化していく。
なんでコンビニで18年もバイトしているのか、結婚はしないのか、子供は産まないのか、保険には入っているのか・・・
周りは次々と「叱って」くる。
自分はみんなの「普通」とは違う、どうやったら「普通」に見られるのか。
コンビニという無機質で画一的な環境にようやく居場所を見つけたのに、そこでも異質なものとなってしまい、弾かれていく。
正常な世界はとても強引だから、異物は静かに削除される。まっとうでない人間は処理されていく。
p84
そうか、だから治らなくてはならないんだ。治らないと、正常な人達に削除されるんだ。
私も大学生の時コンビニでバイトしていたので、懐かしく思うところもありました。
久しぶりに再読しましたが、やっぱりいいなあと思いました。
『信仰』のレビューはこちら。
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