SNSでおすすめされていたのを見て、図書館で借りて読みました。
Bitly
村田沙耶香さんは、むかし『コンビニ人間』を読んだことがありますが、それ以来です。
表題作『信仰』のほか、SFチックな短編が収録されています。
表題作は、書き出しでまず引き込まれました。
「なあ、永岡、俺と、新しくカルト始めない?」
お金儲けのためにカルトを立ち上げようとする昔の同級生に誘われる話です。そんなの完全に怪しいしアウトだろ、と思うのですが、読んでいるとその感覚が揺さぶられます。
参加費10万円の「天動説セラピー」と、用途としてはただの食器なのにブランド品というだけで数十万円するお皿と、何が違うのか。
健康になるという嘘くさい浄水器と、鼻の穴ホワイトニング、おなじ5万円使うとして、何が違うのか。
ちなみに、食器ブランドのブランドのロンババロンティックと、美容耳鼻科で鼻の穴ホワイトニング、あまりに自然に文中に登場してくるので、ほんとにあるのかな、とこっそり検索してしまいました(笑)
他にも、ありえない設定なんだけど、ちょっとだけ本当にありそうな気もする、そんな不思議で少し怖いお話ばかりですごくおもしろかったです。
そして途中にいきなりエッセイが挟まれていて、最初これも短編小説なのかと思って読んでいたら、途中であれ?と思って、よくよく読み返してみると、あ、これエッセイか、と気づく、ということがあって、一瞬創作と現実とがわからなくなって、自分が今どこにいるのかわからなくなるような、不思議な気持ちになりました。
村田沙耶香さん、おもしろいなあ。『コンビニ人間』ももう一度読みたくなりました。
(追記)『コンビニ人間』読みました。
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