『帆船軍艦の殺人』岡本好貴

本のこと

2年ぶりの鮎川哲也賞受賞作品ということで読んでみました。

Bitly

その日のサウサンプトンの海は赤子の寝息のように穏やかで、薄雲のベールを突き抜けた陽光が海面を宝石のように輝かせていた。

舞台は1795年、フランスとの戦争中のイギリス海軍。

この設定が最初どうかなと思っていたのですが、いざ読み始めるとすぐにその世界に引き込まれました。

逃げ場のない軍艦の上で起こる連続殺人事件、とのことですが、なかなか事件が起こらない。

でもその長い前置きも、帆船の動かし方とか、船上の生活とかの描写が興味深くて退屈はしませんでした。

主人公にとってはかなり絶望的な状況ですが、軍艦での同じ班のメンバーがみんないい人で、読みながらよかったーと思いました。

事件のトリックも帆船軍艦ならではのものでなるほどなーと思いました。すごくおもしろかったです。

コメント