ほんタメでたくみさんが理系向けのおすすめミステリーで紹介していたのを見て購入。メフィスト賞受賞作品です。
表紙がかっこいい。サラサラの手触りも好き。
Bitly
「君、バスで本なんか読んで、よく平気だな」
天才建築家驫木が建てた自宅である眼球堂という変わった建物に、物理学、精神医学、政治学、美術など各方面の天才と呼ばれる人たちが招待される。
数学者の十和田も招待され、十和田を密着取材しているルポライターの陸奥藍子も同行する。
不思議な点がいくつもある眼球堂で翌朝、驫木の死体が発見される…
クローズドサークルで起きる連続殺人なのですが、まず眼球堂の図面がおもしろい。
しばらく眺めて、なんでこうなってるんだろう、、と思っていたら、最後にはちゃんと必然性があったんだなと分かりました。
途中途中で感じたちょっとした違和感もちゃんと回収されていて、なるほどなと思いました。
著者は建築学科卒とのことですが、最初から最後まで完全に理系だなというのを感じてすごくおもしろかったです。
数字を表すのに周期表の元素を使うところもウケました。学者さんの間では常識なのか??
解けない謎はないが、謎を解くためには、常識だけでは足りない。似たようなことは数学の世界でもしばしば起こる。例えば、ゼロや負の数や虚数の発明がそうだ。前に話した平行線の公理の問題もそうだ。そういう、一見すると常軌を逸しているとしか思えない発想が、しかし、不可解と思えた謎を解き、数学をより前へと進めてきたんだ。
p326
著者の「堂シリーズ」はさらに6作品出ているようなので、続きも読んでみたいです。
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