『王とサーカス』米澤穂信

本のこと

2024年読了第1作品目です。2024年の読書初めは、大好きな米澤穂信さんを選びました。

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誰かの祈りで目が覚める。

フリーライターの太刀洗万智は、海外旅行特集の仕事でネパールに滞在中。そんな折、王宮で国王が息子に殺害されるという事件が起こる。

その事件について取材を始める万智。宿泊しているホテルのオーナーの知り合いである軍人に話を聞けることになったのだが・・・翌朝近くの空き地で死体が発見される。

殺人事件の謎解きという要素もありつつ、ジャーナリズムとは、報道の矜持とは、そしてそれを受け取る側の私たちはどうするべきか、について考えさせられる作品でした。

「自分に降りかかることのない惨劇は、この上もなく刺激的な道楽だ。意表を衝くようなものであれば、なお申し分ない。恐ろしい映像を見たり、記事を読んだりした者は言うだろう。考えさせられた、と。そういう娯楽なのだ。それがわかっていたのに、私は既に過ちを犯した。繰り返しはしない」

p199

ネパールの雰囲気もエキゾチックで良かったです(もちろん行ったことないけど)。韓国ドラマにしてくれたらちょっとおもしろそう、と思いました。

なんとなくイ・スンギとペ・スジ主演の『バガボンド』を思い出しました。

Vagabond/バガボンド | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト
旅客機の墜落事故で甥(おい)を失ったスタントマンのチャ・ダルゴンは、国家情報院の捜査官コ・ヘリの助けを借りて、不審な事故の真相に近づいていくが...。

あれは最初の舞台はモロッコでしたね。『王とサーカス』はあそこまでハードボイルドアクションはありませんが、なぜか読みながらドラマの雰囲気を思い出していました。

米澤穂信さんはほんと幅広い作品を描かれますね。

太刀洗万智が出てくる作品は『さよなら妖精』『真実の10メートル手前』があるようです。こちらも読んでみたいです。

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