『64(ロクヨン)』横山秀夫

本のこと

だいぶ前に読んだことあったのですが、久しぶりに再読。

Bitly

夕闇に風花が舞っていた。

『作家の読書道』で呉勝浩さんが「自分の人生を変えたミステリー」として紹介されていたのを読んで、久しぶりに読んでみようと思いました。

それと、僕がデビューする前に最後に衝撃を受けたのは横山秀夫さんの『64(ロクヨン)』なんですよね。たとえば京極夏彦さんの『魍魎の匣』とか、すごい作品は他にもたくさんあるんですけれど、でも自分の人生に影響を与えたという意味ではやっぱり『64』なんですね。なにがすごいって、そこまでトリッキーなことをしていないのに、あんなに面白い小説が書けるんだっていうのが。僕はメフィスト系の弊害で(笑)、「トリッキーじゃないと面白くない」みたいな、ちょっと訳の分からない概念を持っていたんですけれど、でも『64』は、現実で起こりうる範囲のことしか起こっていないわけですよ。それを最大限面白く膨らませると、あんなすごい小説になるんだっていうのが衝撃的で。

第212回:呉勝浩さんその5「自分の人生を変えたミステリー」 - 作家の読書道|WEB本の雑誌
――小説を読みながら、学ぶところもありましたか。 呉:具体的なテクニックというよ...

正直記憶がほとんどなかったので、初めて読んだかのように新鮮な気持ちで読めました。

64(ロクヨン)というのは、たった7日間しかなかった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件を指す符丁。犯人はまだ捕まっておらず、D県警史上最悪の事件です。

広報として報道陣と面と向かってやり取りをする役目の三上が主人公です。

警察と報道との攻防、警務部と刑事部との抗争、三上が個人的に直面している家族の問題。アピールのために事件現場を視察しに来る警察庁長官。

いろいろな人間関係が渦巻く中で、新たな事件が起こる・・・

リアルタイムで起こる事件にドキドキするというよりも、警察内部のドロドロがメインのストーリーでした。

相手の考えを想像し、微妙な駆け引きをするところが緊張感ありました。

組織と個人との相克。

私には絶対無理だな。こういう駆け引きは笑

横山秀夫さんの警察小説、他のも読んでみたくなりました。

「D県警シリーズ」は以下の5作品があるそうです。

『影の季節』
『動機』
『顔 FACE』
『64(ロクヨン)』
『刑事の勲章』

前に読んだ『半落ち』ももう一回読みたいな。

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