有名ミステリ作家の短編が一冊で楽しめる贅沢なアンソロジーです。
超豪華な作家さんの名前が並んでいるのを見て即買いでした。
新川帆立さん『ヤツデの一家』
不器量な姉である私と、美しい妹、美しい異母弟の妖しい三角関係。
結城真一郎さん『大代行時代』
なんでも代行を頼める時代。新入社員とのジェネレーションギャップ。
斜線堂有紀さん『妻貝朋希を誰も知らない』
迷惑動画炎上の真相。
米澤穂信さん『供米』
亡くなった友人である詩人の遺作に隠された謎。
中山七里さん『ハングマン-雛鵜』
復讐代行業を引き受ける大学生が、後輩の殺人事件の謎を解く。
有栖川有栖さん『ミステリ作家とその弟子』
ベテランミステリ作家が弟子に講義を行うがその結末は意外な方向へ。
ほんとに全部面白かったのですが、私は、斜線堂有紀さんと中山七里さんの作品が特に好きでした。
斜線堂さんのは、迷惑動画で炎上して社会から叩かれまくっている妻貝くんについて、知人にインタビューした記録が次々と書かれているのですが、それを読んでいくうちに最初持っていたイメージがどんどん変わっていきます。本人の談も途中に入るのですが、それを読むとなんか切なくなってしまいました。本当のことってわからないものだよな。報道されているのは真実の本の一面でしかないんだな、ということを改めて感じました。
中山七里さんのは、すごく好きでした!『祝祭のハングマン』という作品のスピンオフみたいです。読んだことなかったので、こちらもぜひ読んでみようと思いました。
一冊でこんなにいろんな作家さんの作品が読めてたいへんお得なアンソロジーでした。
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