『11文字の檻』青崎有吾

本のこと

青崎有吾さん、初読み作家さんでした。

「このミステリーがすごい!2024」で12位にランクインしていました。表紙もかわいかったのと、帯で芦沢央さん、阿津川辰海さん、大山誠一郎さん、似鳥鶏さんという錚々たるメンバーが絶賛していたので購入。

ちなみに、この「このミステリーがすごい!2024」もめっちゃおすすめです。表紙がコナンくんなので即買いでした。

傑作ベスト20も他の特集も全部楽しいですが、阿津川辰海さんと斜線堂有紀さんのコナンくんベストエピソード対談がとくに素晴らしい。ここで取り上げられているエピソードをHuluで見るのが最近のお気に入りです。

『11文字の檻』は、青崎さんの「まえがき」にあるように、これまでにいろんな場所で発表した短編、ショートショートをまとめて、書き下ろしの表題作を合わせて収録していて、お得感のある短編集でした。

それぞれテーマの違うアンソロジーに収録されたものも多いので、巻末には著者による解説がついているのも嬉しいです。

私はJR福知山線脱線事故をテーマにした「加速してゆく」と、国家権力に反抗したとの罪で収監された男が外に出るためには11文字の暗号を解かなければいけない、というストーリーの表題作「11文字の檻」が特に好きでした。

JR福知山線脱線事故は、以前に『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』というノンフィクションを読んだことがあって(息子の中学受験の試験を待っている間に読んだことを覚えています)、もともと興味はあったというのもありますが、事故にたまたま居合わせた新聞記者と高校生の話で、ラトは想像もしてなくて思わず唸りました。

「11文字の檻」も、なぜか突然そんな状況に放り込まれた主人公が、知恵を絞って暗号を解き、ラストは意外な結末、ですごかったです。

青崎有吾さんは、デビュー作『体育館の殺人』から続く『水族館の殺人』『図書館の殺人』の「館シリーズ(?)」もおもしろそうなので読んでみたいと思っています。

読みたいシリーズがまだまだたくさんある!

とりあえず今は、米澤穂信さんの「古典部」シリーズ、市川憂人さんの「マリア&漣」シリーズ、綾辻行人さんの「館」シリーズが途中なので進めていきたいのと、森博嗣さんの「S&Mシリーズ」は未読なので読みたいなあと思っているところです。

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