『名探偵のいけにえ』白井智之

本のこと

『名探偵のはらわた』がおもしろかったので、続編の『名探偵のいけにえ』を読みました。

舞台は1970年代。ある宗教団体が築いたユートピア的な村・ジョーデンタウンに調査団として赴いた助手のりり子を心配して現地に乗りこんだ探偵・大塒が主人公です。

そこで調査団のメンバーが次々と殺害されてしまいます。

信仰と論理の対決。

白井さん独特の多重解決ミステリです。すごいテンポで次々とひっくり返される推理がクセになります。

けど登場人物があっさりいなくなってしまってびっくりします笑

ラストまで驚きっぱなしでした。そして最後まで読むとタイトルの意味が理解できました。

宗教を信仰している人の気持ちは否定せず尊重しながら自分の推理を発表する態度がすごく好感が持てました。今までこういうのなかった気がする。

分かってるよ。おれにはお前らがそう見えるってだけの話だ。お前らは自分の感じる世界を信じればいい。

p339

前作『名探偵のはらわた』よりグロいかも。白井さんの他の本に比べたらマイルドなのかもしれませんが・・・

『名探偵のはらわた』のレビューはこちら。

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