大好きな阿津川辰海さんの長編推理小説『紅蓮館の殺人』を読みました。
山火事で炎がじわじわ迫ってくる中での、時間制限ありのクローズドサークルで起きる殺人事件。
高校生2人組が推理を繰り広げます。
高校生探偵であり、人が嘘をつくと分かってしまう、お金持ちの御曹司、葛城くんと、高校生ながら推理小説作家でもある田所くん。
ホームズ役の葛城くんとワトソン役の田所くんがいいコンビでした。
高校の勉強合宿で滞在した宿舎の近くに、尊敬する文豪がひっそり暮らす館があることを知り、合宿を抜け出してその紅蓮館を訪れた田所くんと葛城くん。
途中で落雷があり山火事が発生してしまう。なんとか紅蓮館にたどり着いたものの、火が徐々に迫ってきて、館も危険な状態に。そんな中、文豪の孫娘つばさの死体が発見される。
館が焼失してしまう前に逃げ出せるのか。そして、つばさを殺した犯人は誰?
阿津川さんの小説は何冊か読んでいますが、今まで読んだ中では『午後のチャイムが鳴るまでは』と『透明人間は密室に潜む』が好きです。
それに比べると本作品は、若いというか、ちょっと雰囲気が違うなという気もしました。
でも、時間制限ありのクローズドサークルを舞台とした本格ミステリはさすがです。
終わりかたがちょっとあれ?って感じだったけど、SNSでの皆さんの感想を見ていると、続編である『蒼海館の殺人』を読んで、おおーっとなった、という意見が複数ありました。
紅蓮館だけで終わってはいけないらしい。
しかも、紅蓮館の印象が残っているうちに、早めに蒼海館を読んだ方がいいらしい。
というわけで、私も近いうちに読もうと思います。
(2023.12.11追記)『蒼海館の殺人』読みました。レビューはこちら。
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