『神の悪手』芦沢央

本のこと

初読み作家さん。ほんタメでゲストに登場されている動画を見て、こちらの『神の悪手』を読みました。

将棋をテーマにした短編集です。

芦沢さんの本はゾワっとするような怖い話なのかなというイメージで、まだ読んだことがなかったのですが、この本に収録されている短編はどれも、微妙な心の動きが捉えられていてすごく良かったです。

芦沢さんは小説を書くために将棋を習い始めたそうです。その後すっかりハマってしまい、将棋アプリで時間があっという間に過ぎてしまうと動画でお話しされていました。

将棋に関しては、まず駒の動かし方が覚えられないし、性格的にも頭の構造的にも勝負に向いていないと思うので、自分ではできないのですが、本を読むのは好きです。

羽生善治さんや加藤一二三さんの本も読みました。

将棋を取り上げた小説でこれまでに読んでおもしろかったのは、

『聖の青春』

『盤上の向日葵』

『泣き虫しょったんの奇跡』

です。

勝負の世界は厳しい。そして、奨励会のシステムも本当に容赦ないなあと思いました。

奨励会で三段まで上がり、さらに所定の成績を収めるとプロに昇格できます。奨励会には年齢制限があり、満21歳の誕生日までに初段、満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となってしまいます。

非常に厳しい世界ですが、それだけにドラマになりやすいのだろうと思います。

韓国では囲碁で同じようなシステムがあるようで、『未生(ミセン)』という韓国ドラマがすごく好きです。

奨励会に所属していたけど家庭の事情で囲碁をやめて就職しないといけなくなった主人公。

これまで囲碁しか知らなかったから、なかなか会社に馴染めず、周りからもコネ入社と言われいじめられてしまいますが、やめずに頑張って少しずつ仕事を覚えて周りに認められていく、そんなストーリーです。

イム・シワンくんの演技が素晴らしいです。

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