『六人の嘘つきな大学生』がおもしろかったのと、ほんタメにゲストで出演されていた時のお話がすごくおもしろくて、他の本も読んでみたいと思いました。
50代のハウスメーカー営業部長の山縣泰介が、なぜかこれまで触ったこともないTwitterでの投稿が原因で殺人犯と決めつけられてしまう。
投稿は炎上し、身元が割られて拡散、自宅もバレてたくさんの野次馬がやってくる、知らない人が通りすがりに勝手に写真を撮ってくる。
怖すぎる・・・
それにしても、Twitterでの無責任な投稿の数々がリアルだけどすごく嫌でした。こういうこと、程度の差はあれめっちゃありそう。
今まで普通に上手くやっていると思っていた会社の人たちからも疑われるってショックだなあ。
こういう時に信じてくれる人が自分にはどれくらいいるだろう、とか考えてしまった。
そんな中でも逆に、あまりいい印象のなかった取引先の若者が、ある根拠をもとに無実を信じてくれた場面はとてもありがたくて、私も一緒に泣きそうになりました。
「まあ、そうですね・・・何と言いますか、言ってしまえばですよ」青江はきっと目を細めた。
p284
「やっぱり悪くない人が理不尽な目に遭っているのを見るのは気分が悪いんですよ。『正義の心』というのが、私の中にもあるということでしょうね。真実を知らないくせに自分勝手なことを言ってるやつらが気に食わないというのも、ありますし」
全世界が敵みたいな状況で、こんな言葉かけてもらえたらほんと神かと思いますよね。
そしてラストはびっくりでした。お、おう、そういうことだったのか。みたいな。
ありえないとは思うけど、実はそんなにありえなくもないんじゃないか、と思える設定がじわじわ怖い、そんな小説でした。
『六人の嘘つきな大学生』のレビューはこちら。これもおもしろかったな。
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