SNSでの評価も高くて、なんと言っても表紙が大好きな遠田志帆さんなので、気になっていたのですが、白井さんの本ってグロいって聞くしなあ、、と気が引けて何度か書店で手に取っては棚に戻す、というのを繰り返していました。
今回、思い切って買って読んでみたら、ほとんどグロくなくて読みやすかったし、すごくおもしろかったです。もっと早く読んだらよかったー。
主人公は浦野探偵の助手、原田亘。この人の通称が「はらわた」というわけです。
タイトルからしてグロそう、、と思っていたので、「はらわた」の意味を知って、これはいけるかも、と思いました。
冒頭で紹介される「玉ノ池バラバラ殺人事件」「八重定事件」「津ヶ山事件」「青銀堂事件」「椿産院事件」「四葉銀行人質事件」「農薬コーラ事件」という昭和時代に実際に起きた事件をモチーフに、それらの犯人が「人鬼」となって現代に蘇り事件を再現するという設定になっています。
浦野探偵、助手の原田くん、そして名探偵・古城倫道のキャラもすごくいい。ところどころクスッと笑ってしまうような一言があってすごく好きです。
白井さんの作品が多重解決ミステリ、と言われていていますが、こういうことか!と解決したと思ったら「いやいや違う、こうだよ」と直後にひっくり返されてしまう。そのスピード感も新鮮で面白かったです。
姉妹編の『名探偵のいけにえ』も気になる。白井さんはこちらの作品で本格ミステリ大賞を受賞しています。
(2023.12.10追記)『名探偵のいけにえ』読みました。レビューはこちら。
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