ガリレオシリーズをまとめて読んでみよう企画、第8弾まで来ました。
『禁断の魔術』、長編です。
高級ホテルで女性の死体が発見される。
湯川の元に高校のずいぶん後輩の若者が訪れる。
フリーラーターの男性が自宅で殺害される。
これらが少しずつ繋がっていって・・・
次々と悲しいことが起こる古芝くんの人生を読んで切なくなりました。
長編にしては短めだし、前作の短編集『虚像の道化師』よりも、科学トリックがしっかり描かれているなと思ったら、もともとは短編集に収録されていたものを、文庫化にあたって大幅に加筆して長編にしたそうです。
短編小説を長編に大改稿──ついに誕生した最高の「ガリレオ」 『禁断の魔術』 (東野圭吾 著) | 東野 圭吾 | インタビュー・対談
『禁断の魔術』 (東野圭吾 著) 連作集『禁断の魔術』が刊行されたのは2012年の秋です。四作の書き下ろし中短編小説を収録した、著者としても会心の一冊でした。 中でも特に気合いを入れたのが、「猛射つ(…
東野さんがこのことについて書かれた記事を読んで納得。
今回は湯川が自分の命を懸けてまで犯人を救おうとしたところに胸を打たれました。
科学についての湯川の名言もいただきました。
「諦めるな。過去の人間が考えついたことを、若い君たちが理解できないなんてことはない。一度諦めたら、諦め癖がつく。解ける問題まで解けなくなるぞ」
p17
めっちゃ頭いい学者さんだけど、人のこともすごく考えていて、温かい心も持っている湯川の魅力がとても伝わるような作品でした。
私的にはシリーズの中でもかなり上位に入る小説でした。
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