ガリレオシリーズをまとめて読んでみよう企画、第7弾は『虚像の道化師』。短編集です。
本書に収録されている短編は以下の7編です。7つも!お得!
- 第一章 幻惑す(まどわす)
- 第二章 透視す(みとおす)
- 第三章 心聴る(きこえる)
- 第四章 曲球る(まがる)
- 第五章 念波る(おくる)
- 第六章 偽装う(よそおう)
- 第七章 演技る(えんじる)
新興宗教の教祖が心を清めるために念を送っていたら送られていた人が突然窓から飛び降りてしまう「幻惑す」。
お店で名刺やカバンの中身を透視していたホステスが殺された事件を解決する「透視す」。
会社で幻聴が聞こえる人が続出、自殺者も出てしまう「心聴る」。
奥さんが暴漢に殺され、野球でもピークを越えてしまった投手が再起をかけて湯川の元を訪れる「曲球る」。
双子の同胞に何か悪いことが起こるような胸騒ぎがする、と言ったら本当に殺されてしまっていた「念波る」。
大学の同期の結婚式に参加するために訪れたリゾートホテルの近くで殺人事件が起きる「偽装う」。
劇団員が主宰を殺害する倒叙ミステリ「演技る」。
第三章の「心聴る」で、草薙の警察学校での同期である北原という人が登場するのですが、草薙と昇進で差をつけられたことで拗ねた感じの北原に湯川がズバッと物申すところが良かったです。
「現象を分析するには、すべての可能性を探る必要がある。つまり誰かがアイデアを出した場合には、とりあえずはそれを尊重しなければならない。検証することもなく、ただ自分の考えや感覚と合わないからというだけの理由で人の意見を却下するのは、向上心のない怠け者のやることだ」
P199
(中略)
「草薙は、素人の僕の意見を尊重する。女性の、しかも後輩刑事の声にも耳を傾ける。あなたには、彼と同じことはできないのかな?」
ガリレオシリーズはほんとどれもおもしろいです。すごい!
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