『自由研究には向かない殺人』ホリー・ジャクソン

本のこと

SNSで紹介されているのを見ておもしろそうと思い購入。

けっこう分厚い文庫だったのでしばらく寝かせていたのですが、読み始めたらおもしろくて一気読みでした。

高校生のピップは、学校の課題で自分の住む町で5年前に起きた少女失踪事件について調べることにします。

この事件は、失踪した少女アンディの交際相手の少年がアンディを殺害して自殺したとされていましたが、少年を知るピップは、少年が犯人だとはどうしても思えなかったのです。

亡くなった少年の弟ラヴィを誘って調査を進めるうちに、新たな事実がどんどん明らかになっていって・・・

邦訳のタイトルは「自由研究」となっているので、最初は小学校の夏休みの宿題的なものかと思ったら、大学での研究のほうがイメージは近いかも、でした。

しかしアメリカの高校生は学校でこんな研究(さすがに殺人事件の調査でなくても)を学校の課題でやったり、自分の車持ってたり、お酒飲んだり、ドラッグパーティーやったり、すごいですな。

関係者へのインタビューや、過去のSNSの投稿、アンディの手帳など、いろんな素材が使われているのもイマドキって感じでした。

時には犯罪スレスレだったり、かなり危険なところまで踏み込んだ調査をするので、読んでいておばちゃんはハラハラしましたよ。いやいや、そんなとこ行ったらあかんて!と何度もピップを止めようとしました(妄想)。

でも、自分の知る少年は、そんな犯罪をするような子じゃない!という信念を大切に、世の中で事実とされていることを鵜呑みにせず、自分で調べて判断するんだというピップの姿勢がまぶしかったです。見習わないとな・・・

それから、ピップの家族がすごくいい。明るくてやさしい。「ほんとうの」お父さんはピップが10か月のときに事故で亡くなっていて、今のお父さんは「ドでかいナイジェリア人」。父親の違うかわいい弟もいる。

毎日にぎやかで楽しそうだけど、人種差別を肌で感じることも多い。そんなの絶対受け入れない、許さないぞというピップの思いを感じました。

その人自身を知ろうとしないで、見た目で決めつける、犯人だと決めつける、犯人の家族に嫌がらせする、、、そんなのは絶対間違ってる!と物語を通じて大声で叫んでいるようでした。

すごくおもしろかったです。

続編が2作品出ているので、そちらも読もうと思います。

朝:プロテインマグケーキ、キウイ
昼:ベースブレッドチョコ
夜:カニカマバー、お菓子

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