ドラマ『ラストマン全盲の捜査官』

映画・ドラマ

阿津川辰海さんがジャーロのサイト上で連載している「読書日記」で紹介されていたのを読んでU-NEXTでドラマを見てみました。

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アメリカから期間限定で来日した全盲のFBI捜査官・皆実広見(福山雅治)と、アテンドを命じられた警察庁の護道心太朗(大泉洋)がバディを組んで、次々と事件を解決していく。

ハンディキャップを持つ捜査官が仲間たちと一緒に事件を捜査するスタイルはジェフリー・ディーヴァーのリンカーン・ライムシリーズを思い起こさせます。

ちょっと違うのは、『ラストマン』の皆実捜査官はすごくコミュニケーション能力が高くて「人たらし」であるというところ。

リンカーン・ライムは人たらしとは程遠い、偏屈で扱いが難しい人なので。

一話完結で解決されていくそれぞれの事件も面白いのですが、皆実捜査官と護道心太朗の過去の秘密がラストに向けて明らかになっていく、そのストーリーがすごくよかったです。

ラストは泣きそうになりました。

阿津川さんのこちらの記事を読んでドラマ見てみようと思いました。

第63回(2023.8.25)阿津川辰海・読書日記より

〇TVドラマ「ラストマン-全盲の捜査官-」について

 本作は、全盲のFBI捜査官・皆実広見(演じるのは福山雅治)とそのアテンドを命じられた警察庁人材交流企画室の室長・護道心太朗(演じるのは大泉洋)のバディを描いたミステリー連作でした。ハンディキャップを抱えた名探偵と、それを補佐する助手役という構図がジェフリー・ディーヴァーの〈リンカーン・ライム〉シリーズを思わせ、おまけに脚本が黒岩勉ということで大注目していた作品であり、その期待を全く裏切られなかった傑作。各話ごとの見所の作り方と、シリーズを通した時の登場人物たちの成長と繋がりの描き方の按配が見事で、毎話ため息が漏れていました。

 ミステリー的な見どころは、皆実が大ファンである刑事ドラマの役者たちが事件に巻き込まれる3話のじっくりと腰を据えた消去法推理と、「エンタメ・どんでん返しの骨法全部盛り」といった風情の、立てこもり事件を描く6話あたりでしょうか。6話のどんでん返しって、ジェフリー・ディーヴァーの中編「トラブル・イン・マインド」をすごく思い出してそそられましたね。逆転の手法と、そのカギを画面の中にしっかり埋め込んでいるのが好きなんですよ。今田美桜演じる吾妻の過去に関わる、痴漢事件を扱った4話なども、現代を抉るミステリーとしての切れ味と、キャラクターを描く深度がぴったり一致していて素晴らしい。あとところどころ大泉洋が福山雅治のモノマネして笑かしてくるのやめて。

 連作としての白眉は、最終2話で解き明かされる、皆実と護道、二人の因縁にまつわる物語です。特に「なぜ階段の途中で二人の人物が揉み合っていたか?」という謎に対する解答はすごくスマートだと思うなあ。日本でも海外でも、あまたの「バディもの」が書かれてきた中で、こんな構図に辿り着いた作品が他にないという点でも、見逃すことが出来ない作品。私はもちろんBlu-rayを予約しました。

第63回(2023.8.25)阿津川辰海・読書日記

ドラマを見終わった後でもう一度この阿津川さんのレビューを読むと、納得感がすごい。ここまで言語化できるのってさすがです。

プロの作家さんで、読書量も半端なく、レビューもこれだけたくさん書かれているのでレベルが違うのは当然で、比べるのもおこがましいのですが、自分もこれだけの熱量と文章力でレビューが書けたらなあと思う憧れの存在です。

ここ数年日本のドラマは全く見てなくて、韓国ドラマ専門だったのですが、日本のドラマもおもしろいのあるんですね。

食わず嫌いをやめようと思って『准教授・高槻彰良』や『霊媒探偵・城塚翡翠』も、原作読んでから今ドラマ見ているところですがどちらもおもしろいです。

朝:ふりかけごはん、カステラ
昼:ベースブレッドシナモン、チョコ
夜:唐揚げ
おやつ:じゃがビー

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