『青の炎』貴志祐介

本のこと

ほんタメでたくみさんが「泣けるミステリ小説3選」で紹介していたので購入。

タイトルは知っていたけど初読みでした。

17歳の秀一は、大切な家族を守るために一人で殺人を計画する。

母親の元夫が与える恐怖や不安。殺すしかないと思うまでに至る心の動き。本当に実行していいのか。そのことでかえって家族を不幸にしてしまうのではないか。だからこそ絶対にバレない完全犯罪を実行しなければならないという決意。

その全ての心の動きがリアルに伝わってきました。倒叙ミステリーならではの心理描写が素晴らしかったです。

読んでいて苦しくなるほどでした。大人びてはいるけど、やっぱり17歳。そして「泣けるミステリ小説」にふさわしいラスト。

一人で悩んで抱え込んで辛かったね。私が相談に乗ってあげればよかった。と、よくわからない後悔を感じてしまうほどでした。

秀一は友達に迷惑をかけないようにと距離を置こうとするけど、友達は頼まれたわけでもないのに秀一を庇う。青春小説でもあります。

秀一の友人が、おじいちゃんからよく言われていたという言葉が印象的でした。

「一度火をつけてしまうと、瞋り(いかり)の炎は際限なく燃え広がり、やがては、自分自身をも焼き尽くすことになるって」
「自分の瞋りで自滅するよりは、ずっとましな人生だって思ってるから」

p329

ミステリー小説でもあり、爽やかな青春小説でもあり、泣ける小説でもある、さすが名作と言われるだけのことはある作品でした。

朝:プロテインマグケーキ、キウイ、チョコスナックパン
昼:カニカマスティック、昆布おにぎり
夜:麻婆豆腐
おやつ:クッキー、トッポ

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