『成瀬は天下を取りに行く』宮島未奈

本のこと

ほんタメで紹介されていておもしろそうだったので購入。

成瀬あかりちゃんは滋賀県大津市の女子中学生。

小学校の卒業文集に書いた将来の夢は、200歳まで生きること。そのために早寝早起き、ランニングを欠かさない。

何事も最初から諦めずにやりたいと強く思えば叶うかもしれない。

日頃から大きなことを言ってタネを撒いておくと、そのうち一つでも叶ったら「あの人すごい」となるから。

中学2年の7月31日、成瀬は西武大津店が閉店するまでの1か月間、毎日西武に通ってローカルテレビの夕方の中継に映る、という目標を掲げる。淡々とそれを実行する成瀬と親友の島崎を描いた「ありがとう西武大津店」。

この書き出しで心掴まれました。

「島崎、わたしはこの夏を西武に捧げようと思う」

成瀬がこうやって一見何の意味もなさそうな、それやったからって何になるの、というようなチャレンジをするのは、新型コロナウイルスのせいで学校行事が減ったりして制限が多い日々の中で、この夏はこれをやった、というものをひとつでも残したいと思ったから。というのがなんか切なくて、大人としては、たくさん我慢させてごめん、と思いました。

とにかく成瀬のキャラがすごくいい。人にどう思われるかは関係なくて、やりたいことがはっきりしている。達成できなくてもいいから目標を立てて公言してできる限りのことをする。私も成瀬と友達になりたい。

自分が中学生で、同じクラスに成瀬がいたら私は島崎になれたかなあ。今なら成瀬の良さが理解できるだろうけど。

最後の短編は、成瀬の目線で描かれているのですが、いつもクールであまり感情の起伏がなさそうに見える成瀬にも、いろんな心の動きがあるんだなあと思って、ちょっと泣きそうになりました。

中学生の子供にもおすすめしよう。

昼:カニカマバー、コーヒーあんぱん、メロンパン
夜:サイゼリヤ(グリーンサラダ、ボロネーゼ、マルゲリータ)
おやつ:ドーナツ

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